フランスでは、1990年から毎年10月の第3週を「味覚の週間」とし、全国の小学校でボランティアの「味覚の授業」が行われています。この授業を行っ ているのは、本物の味を大切にし食文化をきちんと子ども達に引き継がせたいと願うシェフ、パティシエなどの食の専門家たちです。同じ頃、イタリアでは消えゆく恐れのある伝統的な食材や料理、良質な食材を提供する小生産者を守り、子どもがファーストフードに侵されるのを防ぐことを目的としたスローフード運動が起こりました。そして、日本では、フランスの活動に賛同した料理研究家の内坂芳美さんにより1998年最初の「味覚授業」が行われ、2000年に日本味覚教育協会としてプロの料理人、お菓子職人らが小学校を訪問し本格的な活動が始まりました。

★★★★★★★★★ 味覚授業の目的 ★★★★★★★★

食べ物の基礎となる「4つの味」を知ること4つの味とは・・・甘味、酸味、苦味、塩味みんなでおいしいものを食べることの楽しさ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 その後、ホテル・ドゥ・ミクニの三國清三シェフが1999年日本人として初めての「フランス高級料理組合」の会員となったのを契機に、日本での組織の必要性を感じ、賛同者と「日本フランス料理技術組合」を発足。2000年から「キッズシェフ」が始まりました。

「キッズシェフ」では食育の一つとして、小学校5〜6年生対象に味覚の授業を行います。授業では4つの基本味(甘味、酸味、苦味、塩味)を実感すること や地元の食材を使った調理実習をします。授業を通し、食べること、作ることの楽しさ、自分達の暮らしの地域にはどんな食材があるのかを知ることになりま す。島根県では、2005年よりキッズシェフのスタイルを参考にし「つわのリトルシェフ」がスタート。子ども達を対象に味覚授業、地元食材を使った親子料理教室などを展開。「日本フランス料理技術組合」にも加入し、2006年には島根県で初めて、赤松健二氏(ポンムスフレ、津和野町)が日本味覚協会から味覚授業の指導者の認定を受けました。